水産研究成果情報検索結果




岩手県におけるアイナメの資源管理手法の開発
水揚げデータと体長組成データを用いて岩手県におけるアイナメの資源量を推定し、最も効果的な資源管理手法を検討した。いくつかの管理手法の下で、資源尾数、漁獲量及び水揚げ金額の将来予測を行った結果、尾叉長25cmと30cm未満魚再放流では資源尾数の増加が期待できるが、漁獲量と水揚げ金額を考慮に入れた場合、尾叉長25cm未満魚再放流が最も効果が高いと推定された。
担当者名 岩手県水産技術センター 漁業資源部  連絡先 Tel.0193-26-7915
推進会議名 東北ブロック 専門 資源管理 研究対象 他の浮魚 分類 普及
「研究戦略」別表該当項目 10(1)その他
[背景・ねらい]
岩手県では、アイナメは沿岸域における重要な漁業資源となっており、刺網や延縄によって年間120トン〜150トンが漁獲されている。しかし、近年、アイナメの漁獲量は減少傾向にあるため、効果的な資源管理の実践が望まれてきている。そこで、本研究は、岩手県におけるアイナメ資源の動向を明らかにし、漁業実態を考慮に入れた効果的な資源管理手法を開発して漁業者等に提案することをねらいとした。
[成果の内容・特徴]
1 水揚げ量のデータと魚市場における体長組成データから、平成10年以降におけるアイナメの年齢別資源量を推定した(図1)。その結果、岩手県のアイナメ資源は、平成11年にいったん減少したが、その後増加傾向にあると推定された。0歳魚の加入資源尾数は緩やかに増加傾向を呈してきたが、平成15年に入って減少に転じた。

2 平成17年から10年間、4通りの資源管理措置を行ったと仮定して、資源尾数、漁獲量及び漁獲金額の管理効果を現状の漁獲を続けた値との比により表した(図2〜4)。想定した管理措置は1尾叉長20cm未満魚再放流、2尾叉長25cm未満魚再放流、3尾叉長30cm未満魚再放流、そして4産卵期である12月の禁漁とした。

(1) 管理開始10年後の資源尾数は、2の仮定では1.4倍、3の仮定では1.7倍、1の仮定では1.1倍、4の仮定では1.1倍であった(図2)。

(2) 漁獲尾数は、2の仮定では管理開始後3年間約1割減となるが、平成26年には1.3倍となり、3の仮定では管理開始後5年間約1〜2割減となるが、平成26年には1.3倍となると予想される。一方、1と4の仮定では、ほとんど管理効果は見込まれなかった。(図3)

(3) 漁獲金額は、2の仮定では管理開始後1年間のみ約1割減となるが、平成26年には1.4倍となり、3の仮定では管理開始後2年間約1割減となるが、平成26年には1.5倍であり、1の仮定では管理開始後の減はほとんどみられず、平成26年には1.1倍になると見込まれた。一方、4の仮定ではほとんど管理効果は見込まれなかった。(図4)。


[成果の活用面・留意点]
1 本成果に基づいて、平成16年度中に資源管理指針が作成され、平成17年度から漁業者等による資源管理型漁業実践に向けた具体的な協議が行われる
[その他]
研究課題名:多元的資源管理型漁業推進事業(補助事業)

研究期間:平成11年度〜平成16年度

予算区分:国庫補助

研究担当者:後藤 友明

発表論文等:
[具体的データ]

図1 水揚げデータと体長組成データから推定されたアイナメの年齢別資源尾数と資源量


図2 4通りの管理手法による資源尾数の管理効果


図3 4通りの管理手法による漁獲量の管理効果


図4 4通りの管理手法による漁獲金額の管理効果





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