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Paracalanus parvus種群の種判別と分布
我が国周辺にはParacalanus parvusと呼ばれる体長1mm程度のカイアシ類が分布する。 本種は海産魚の餌として重要で、沖合域ではイワシ類、沿岸域ではイカナゴ等が主な餌としている。 本研究では、遺伝子と形態を調べ、本種の分類学上の問題を解決することを目的とした。 我が国周辺でP. parvusとされてきた種の主体は未記載種であると考えられた。
担当者名 国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所 海洋・生態系研究センター モニタリンググループ 連絡先 Tel.045-788-7652
推進会議名 中央ブロック 専門 生態系 研究対象 動物プランクトン 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 5(1)生態系の機能・構造解明及び地球温暖化対策のための研究開発
[背景・ねらい]
我が国周辺にはParacalanus parvusと呼ばれる体長1mm程度の小型のカイアシ類が分布する。

本種は海産魚の餌として重要で、沖合域ではイワシ類、沿岸域ではイカナゴ等が主な餌としている。

本種は大西洋で初めて採集された種類で、我が国周辺で採集されるものが同種であるか疑問視されていた。

本研究では、この疑問を解決することを目的とした。試料は定線調査(図1)によって採集し、遺伝子(核のリボソーム遺伝子およびミトコンドリア遺伝子)と形態(体各部の大きさの比率、付属肢、生殖節の刺毛の付き方など)を分析し、比較した(図2・図3)。


[成果の内容・特徴]
日本の周辺にはParacalanus parvusの近縁種が4種分布している。

このうち3種は既知の種(P. indicus, P. tropicus, P. nanus)、1種はまだ名前がついていない種(未記載種)である。

北大西洋のP. parvusは日本の周辺には分布しない。

形態や分布の特徴から、上述の未記載種がP. parvusとされてきた種の主体であると考えられる。


[成果の活用面・留意点]
特に浮魚類の餌料環境の理解・モデル化においては、対象生物の主要な特性を理解することが重要である。

本研究の成果はその基礎となる分類学的な知見を提供するものである。
[その他]
研究課題名:漁業・養殖業に係る気候変動の影響評価

研究期間:平成25年度〜平成29年度

予算区分:農林水産技術会議委託事業

研究担当者:日高清隆

発表論文等:Occurrence of the Paracalanus parvus species complex in offshore waters south of Japan and their genetic and morphological identification to species (KiyotaKa HidaKa, Hiroshi Ito, Junya Hirai, Atsushi Tsuda, 2016, Plankton and Benthos Research, 11, 131-143)
[具体的データ]

図1 試料の採集点



図2 カイアシ類の分析



図3 未記載種の体各部の形態







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