水産研究成果情報検索結果




形式手法を用いた遺伝子ネットワーク解析手法に関する研究
遺伝子間の調節関係を表した遺伝子ネットワークについて、ソフトウェア科学的手法によりその振る舞いをモデル化し、解析する手法を開発する。
担当者名 国立研究開発法人水産研究・教育機構水産大学校 水産流通経営学科 水産基礎講座 連絡先 Tel.083-227-3868
推進会議名 中央ブロック 専門 その他・該当なし 研究対象 他の水産生物 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 5(1)水産生物の機能の解明及びゲノム関連の研究開発
[背景・ねらい]
遺伝子とは、細胞核内に収められたDNA(二重らせん構造として知られる)という物質上に符号化された情

報である。遺伝子はその生成物であるタンパク質により他の遺伝子の発現を制御する(図1)ことで、細胞

の概日リズムを作り出し、部位による細胞の働きの違いを生み出す。細胞の働きを理解するためには、個々

のタンパク質の機能分析のみならず、遺伝子の調節関係から生み出される動的振る舞いを解析する必要があ

る。本研究では、遺伝子の調節ネットワーク(図2)を、ソフトウェア科学の手法を用いて解析する。
[成果の内容・特徴]
本研究では、遺伝子ネットワークの時間的振る舞いを、各遺伝子が発現しているか否か、また、各遺伝子の

発現レベルの時間的変化として表す(図3)。遺伝子ネットワークの振る舞いは、その中にある遺伝子間の

活性・抑制関係により定められる。この原理に基づき、本研究では、遺伝子ネットワークの「可能な振る舞

い」を論理式を用いて記述する手法を開発した。これにより、与えられた遺伝子ネットワークの「可能な振

る舞い」の集合を計算で求めることが可能になり、その中にある性質を満たすものが存在するか、あるいは

全ての振る舞いがある性質を示すかをコンピュータ上で判定することができる(図4)。本解析手法の有用

性を確認するため、緑膿菌の遺伝子調節ネットワークやストレス応答ネットワークの解析を行った。
[成果の活用面・留意点]
本研究の解析手法は、コンピュータ上ですべてモデル化・解析が済むため、実施が容易である。そのため、

関心のある生物学的仮説を本手法によりあらかじめ検証しておくことで、実際の生物において成立する見込

みのある仮説だけを抽出することができ、実験対象を絞り込むことが可能である。本研究の水産分野への応

用として、水産養殖の分野において、どのような栄養素が魚類の成長に効果的であるかをコンピュータ上で

推定することにより、養殖用飼料の開発の一助となることが考えられる。
[その他]
研究課題名:形式手法を用いた遺伝子ネットワーク解析手法に関する研究

研究期間:平成26〜27年度

予算区分:科学研究費助成金

研究担当者:伊藤宗平

発表論文等:Sohei Ito, Takuma Ichinose, Masaya Shimakawa, Naoko Izumi, Shigeki Hagihara and Naok

i Yonezaki (2015). Qualitative analysis of gene regulatory networks by temporal logic. Theoretic

al Computer Science, Vol. 594, No.23, pp.151-179. 他4編
[具体的データ]




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