水産研究成果情報検索結果




日本の魚資源はどのくらい効率的に利用されているか?
過去20年以上にわたって推定された資源量データを用い,想定した再生産関係(HS型等)をもとに, MSYを得られる資源量を推定し,現在の資源量と比較することで日本の水産資源がどのような状況にあるかを調べた。日本の水産資源の状態は北東大西洋(ヨーロッパ)と同じくらいのレベルにある.漁獲量/資源量が近年減少しており,特に,TAC種の漁獲割合の減少率が大きいことが判明した
担当者名 国立研究開発法人水産研究・教育機構中央水産研究所 資源管理研究センター 資源管理グループ 連絡先 Tel.045-788-7645
推進会議名 中央ブロック 専門 資源評価 研究対象 魚類 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 1(1)水産資源の持続的利用のための管理技術の開発
[背景・ねらい]
海の中の魚の量は,適度に魚を残し,適度に漁獲することで長期的に最大の漁獲量(MSY)を得られる(図1).日本、もしくはアジア地域において水産資源が世界の他海域と比較してどのような状況にあるかを調べた例がなかった。MSYやMSYを与える資源量や漁獲圧を算出することで,我が国資源の現状をMSY基準から評価した.
[成果の内容・特徴]
日本の37の主要な水産資源で、過去20年以上にわたって推定された資源量データを用い,我が国の水産資源の現状を概観した.想定した再生産関係をもとに(図2),どのくらい魚を残せばMSYを得られるか(MSY資源量)を推定した。特に,長期的に環境変動の影響を大きく受ける場合,親が増えても加入量が頭打ちにならない場合など,それぞれの資源の特徴を考慮した.また,推定結果を世界の状況と比較した.日本の水産資源の状態は北東大西洋(ヨーロッパ)と同じくらいのレベルにあり,平均的には,過剰な漁獲によって魚の量も漁獲量も減ってしまっている状態にある(図3).しかし,漁獲割合(漁獲量/資源量)は近年減少しており,特に,毎年の漁獲量の上限が定められている資源(TAC資源)の漁獲割合の減少率が大きいことがわかった.
[成果の活用面・留意点]
現在日本は,漁獲圧が高くて魚を減らしてしまい,結果的に水産資源を効率的に利用できていない状態にある.しかしこのことは,漁獲の強さをより適切なレベルに調整することで,魚の量も漁獲量も増やす余地が十分にあることも示している.将来,日本の水産資源がどのような状態になるべきか,この結果が検討の一助となる.
[その他]
研究期間:(平成23-27年度)
予算区分:戦略的創造研究推進事業CREST
研究担当者:市野川 桃子, 岡村 寛(中央水研), 黒田 啓行(西海区水研)
発表論文等:Ichinokawa et al. 2017. ICES Journal of Marine Science. 74: 1277-1287


[具体的データ]




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