水産研究成果情報検索結果




摂餌開始期における飢餓状態がスケトウダラ仔魚の生残と成長に及ぼす影響
摂餌開始期のスケトウダラ仔魚に及ぼす飢餓の影響を飼育下で調べた。2〜8℃で,初回摂餌は1〜3日齢,point-of-no-return(PNR)は10〜15日齢であった(図1,2)。孵化後の飢餓が短いほど成長と生残は良好であり,飢餓がPNRの2〜3日前,1日前まで続くと,それぞれ成長,生残に影響が及んだ(図3,4)。本種の資源量は,摂餌開始期における餌の多寡に影響されることが示唆された。
担当者名 国立研究開発法人水産研究・教育機構北海道区水産研究所 生産環境部 資源増殖グループ 連絡先 Tel.0153-52-4767
推進会議名 北海道ブロック 専門 資源生態 研究対象 魚類 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 1(1)水産資源の持続的利用のための管理技術の開発
[背景・ねらい]
スケトウダラは北太平洋に広く生息する重要水産資源であり,北海道周辺に分布する集団についての野外調査により,繁殖や卵〜仔魚期の発育及び分散・移動等に関する知見がこれまでにも収集されてきた。生態情報を飼育実験により検証し,加入量推定精度の向上に寄与していくことが求められる。加入量の多寡には発育初期の生き残りが大きく影響するとされているため,異なる水温や餌条件に対する孵化仔魚の応答を明らかにすることをねらいとした。
[成果の内容・特徴]
スケトウダラ孵化仔魚に一定期間の飢餓を経験させた後に給餌を開始して生残や成長に及ぶ影響を調べた。初回摂餌の後しばらくは混合栄養期間であり、さらに飢餓が続くと成長の低下,生残の低下,PNRの順に観察された(5℃の例を図1〜4に示す)。本成果をタイセイヨウダラやコダラについての既往研究と比較すると,本種仔魚は冷水性魚類に標準的な飢餓耐性を備えていることが明らかになった。ただし,混合栄養期間中であってもより早くに摂餌した仔魚の成長や生残が良好であったことから,孵化直後の餌環境が加入量の多寡に影響しうることが示された。本成果は北海道区水産研究所において開発されたスケトウダラの初期飼育技術を活用した点に独自性がある。また,加入量変動要因解明には親魚の状態が産み出される卵〜仔魚に及ぼす影響(母性効果)も考慮されるようになっており,孵化から再生産に至るまでの飼育技術を確立することによって更なる発展を目指している。
[成果の活用面・留意点]
本成果は,資源変動要因分析の高精度化,さらには資源管理に活用されることが期待できる。留意点としては,本成果が飼育下の単純化された環境において観察された現象であることに注意する必要がある。
[その他]
研究課題名:スケトウダラ仔稚魚の給餌飼育技術の開発(交付金課題),スケトウダラ太平洋系群(水産庁事業),スケトウダラ日本海北部系群、ズワイガニ日本海系群、スルメイカ秋季発生系(水産庁事業)

研究期間:2013年1月〜2014年3月

予算区分:交付金,水産庁事業費

研究担当者:横田高士,中川 亨,村上直人,千村昌之,田中寛繁,山下夕帆,船本鉄一郎

発表論文等:Effects of starvation at the first feeding stage on the survival and growth of walleye pollock Gadus chalcogrammus larvae,Fisheries Science誌 82巻 1号 p73-83
[具体的データ]




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