水産研究成果情報検索結果




北海道オホーツク海沿岸におけるスルメイカの漁獲量の予測方法の開発
漁業や水産加工業の経営に役立てるため、北海道オホーツク海沿岸におけるスルメイカの漁獲量を漁期前に予測する方法を開発した。北海道東部太平洋における本種の分布情報および国後島の南沖の表面水温を説明変数に用いた一般化線形モデルによって、この漁獲量を精度高く予測できた。北海道オホーツク海沿岸で漁獲されるスルメイカの主群が日本海ではなく太平洋からの来遊群であることが支持された。
担当者名 地方独立行政法人北海道立総合研究機構中央水産試験場 資源管理部 資源管理グループ 連絡先 Tel.0135-23-8707
推進会議名 北海道ブロック 専門 資源評価 研究対象 するめいか 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 1(1)水産資源の持続的利用のための管理技術の開発
[背景・ねらい]
晩秋の北海道オホーツク海沿岸において、スルメイカは多い年で5万トン近く漁獲される重要な水産資源である。年によって来遊量が大きく変動し、漁獲量は10倍以上の年変動がある(図1)。このため、この海域に来遊するスルメイカの漁獲量を漁期前に高精度で予測することができれば、いか釣り漁業者の漁場選択や、加工業者など水産関係者の効率的な経営に大きく貢献することができる。そこで、漁期前に得られる情報を用いて、北海道オホーツク海沿岸におけるスルメイカの漁獲量を予測する方法を検討した。
[成果の内容・特徴]
1996年を除く1993〜2011年の10〜12月の北海道オホーツク海沿岸における定置網類によるスルメイカの漁獲量を予測対象とし、これを応答変数とする一般化線形モデルを作成した。選ばれた3つの説明変数は、8月下旬の釧路以東の道東太平洋(図2のA海域)における調査船によるいか釣り調査から推定した分布密度、7〜8月の釧路港における小型イカ釣り漁船の操業データから推定した分布密度、そして7月の国後島の南沖(図2のB海域)の表面水温であった。作成した予測モデルによって、漁獲量をおおむね上手く予測することができた(図3)。各年の漁獲量を予測するときに当該年のデータを除いた検証モデルで予測し直すレトロスペクティブ解析の結果、極端に過大推定された1996年を除けば、予測モデルと同程度の精度で予測されたため(図4)、将来の漁獲量を予測する上で実用的であると考えられた。
[成果の活用面・留意点]
本研究で作成した予測モデルに基づいて作成されるようになったスルメイカの長期漁況予報を通じて、漁業者をはじめとする漁業関係者の効率的な経営に貢献することが期待される。一方で、予測モデルを作成する過程で、1996年のデータを異常値として排除した。1996年は分布密度が最高値、水温が最低値という極端な年であった。本研究のデータ数では1996年のデータを除いた方が新しい年を予測する上で適切と考えられたが、将来的に豊漁年のデータが蓄積されれば、1996年のデータによる予測モデルへの影響も相対的に小さくなり、この年のデータを加えることで豊漁年の予測精度が向上する可能性がある。
[その他]
研究課題名:漁業生物の資源・生態調査研究および資源評価調査

研究期間:平成16〜27年度(2004〜2015年度)

予算区分:道費および水産庁委託事業(資源評価調査)

研究担当者:坂口健司

発表論文等:坂口健司,山下紀生:北海道オホーツク海沿岸におけるスルメイカの漁獲量の予測方法.水産海洋研究,79,43-51(2015)

坂口健司:北部根室海峡におけるスルメイカの漁獲と水温環境.水産海洋研究,78,28-35(2014)

[具体的データ]




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