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新しいサケ来遊数漁期内予測モデル
えりも以東、えりも以西、本州太平洋の3地域別のサケ来遊数漁期中予測モデルを開発した。モデルは、漁獲最盛期前の漁獲数データを説明変数とする一般化加法モデルである。最適予測モデルの説明変数は9月中旬〜10月中旬の時期までに得られ、いずれのモデルも通常のシブリング法による予測よりも精度が高かった。また、低水準年に過大予測する年数がシブリング法よりも少なくなる利点もあった。
担当者名 独立行政法人水産総合研究センター北海道区水産研究所札幌庁舎 さけます資源部 資源評価グループ 連絡先 Tel.011-822-2250
推進会議名 北海道ブロック 専門 資源評価 研究対象 さけ・ます類 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 1(1)水産資源の持続的利用のための管理技術の開発
[背景・ねらい]
日本系サケの来遊・産卵時期は数カ月に及ぶため、来遊資源を利用する流通加工業や遡上時期と遡上尾数に応じて親魚から種卵を確保する増殖事業にとって、来遊数(沿岸漁獲数と河川捕獲数の合計値とする)の予測並びに当該年の最終的な来遊水準を把握することは重要である。近年、太平洋側のサケ来遊数は低水準にあり、本州太平洋では震災年に放流した2010年級群が4年魚として来遊する2014年に来遊数がさらに減少するという強い懸念がある。被災地域では、サケの増殖事業、漁業および水産流通加工業の復興が望まれている。本研究では、新たな予測方法として、来遊数を漁期内に予測するモデルを開発することを目的とする。対象地域は、えりも以東、えりも以西および本州太平洋とする。
[成果の内容・特徴]
一般化加法モデルの平滑化スプライン関数を用いて、地域別のサケ漁期内予測モデル(両対数)を開発した。2001〜2011年(本州太平洋の場合、2000〜2010年)までの11年間の来遊数を、交差検定法を用いて予測した(図1)。交差検定法とは1993年からt年までのデータを用いてモデルを作成し、このモデルにt +1年における各説明変数の値を入力してt +1年の予測値(来遊数)を算出する方法である。各地域の最適モデルは、予測期間の残差平方和(RSS)を最小化するモデルとした。各最適モデルの説明変数(対数値)は、えりも以東では9月中旬までの累積沿岸漁獲数と累積河川捕獲数、えりも以西では9月下旬の沿岸漁獲数、本州太平洋では10月中旬の沿岸漁獲数であった。各モデルのRSSは、現行の予測手法であるシブリング法のRSSと比べてそれぞれ71%、65%および15%減少した。特に、全てのモデルは2008年以降の実測値の減少傾向を精度よく予測した(図1)。低水準の年(予測期間の来遊数下位1~4位)に過大予測(誤差率≧20%)する年数は、シブリング法予測よりも減少した。予測期間の11年中8年において、漁期内予測モデルはシブリング法よりも実測値に近い予測値を算出した。
[成果の活用面・留意点]
増殖事業における採卵計画の調整、サケ沿岸漁業および流通加工業の経営効率化のために、本モデルは数値的根拠を提供できる可能性がある。
[その他]
研究課題名:(交付金):新しいサケ来遊数漁期内予測モデル(さけます資源の維持と合理的な利用技術の開発)

研究期間:平成 25 年度

予算区分:

研究担当者:渡邉久爾・斎藤寿彦・高橋史久・鈴木健吾・佐々木系・森田健太郎 (北水研)

発表論文等:同上.新しいサケ来遊数予測モデルの検討:年齢構成依存型と漁期中データ依存型. 平成26年度日本水産学会春季大会要旨集、p21、2014.
[具体的データ]




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