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耳石断面観察によるホッケ道北群の年齢査定法と年齢−サイズ関係
ホッケ道北群について、耳石観察による年齢査定方法の検討と年齢−サイズ関係モデルの推定を行った。耳石横断面の透明帯外縁を指標とすることで、確実な年齢査定が可能になった。年齢−体長関係を推定したところ、雌雄別のLogisticモデルが選択された。推定モデルの体長が雌雄とも2歳前後以降で頭打ちになったことから、道北群の年齢推定には耳石による年齢査定が欠かせないと判断された。
担当者名 地方独立行政法人北海道立総合研究機構中央水産試験場 資源管理部 資源管理グループ 連絡先 Tel.0135-23-8707
推進会議名 北海道ブロック 専門 資源生態 研究対象 ほっけ 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 1(1)水産資源の持続的利用のための管理技術の開発
[背景・ねらい]
 ホッケ道北群は北海道の漁業にとって依存度が高い重要な資源であるため、VPA(Virtual Population Analysis)に基づいた高度な評価と管理が要求されている。VPAを実施するためには対象資源について年齢別漁獲尾数を推定する必要がある。一般論として、信頼できる年齢別漁獲尾数を得るためには、標本魚の年齢査定を実施する必要がある。また、個体数についての解析法であるVPAを重量解析に発展させる際には、漁獲物の年齢−サイズ関係が必要である。そこで、本研究では耳石断面観察による年齢査定方法を示すと同時に、年齢−体長関係ならびに体長−体重関係の推定を試みた。
[成果の内容・特徴]
 耳石断面観察には短軸断面の薄片法を用いた(図1)。観察の結果、不透明帯および透明帯は一年周期で形成されていることが確認された(図2)。このことから、1〜6月に採捕され、かつ断面の縁辺が透明帯であった個体については透明体外縁数に1を加算することで、それ以外の個体については直接に透明体外縁数を満年齢に変換できることが分かった。なお、チェック(リング)の計数による年齢査定は道北群では不適と判断された。

 年齢査定により得られたデータセットを利用して、年齢と体長との関係を検討したところ、雌雄別のロジスティック式による関係モデルが推定された(図3)。体長と体重との関係については、雌雄別の相対成長式による関係モデルが推定された(図4)。年齢−体長モデルでは、推定体長が250mm前後となる2歳以上では雌雄とも体長の増加が頭打ちになり、体長を基準にした年齢推定が不可能と判断された。このことから、道北群の年齢別漁獲尾数を推定する際は、本研究の方法による年齢査定が欠かせないと判断された。
[成果の活用面・留意点]
 本研究により、ホッケ道北群について標本魚の年齢査定結果に基づいた年齢別漁獲尾数を提供できるようになり、さらに、漁獲可能量の計算に欠かせない資源重量の推定などが可能になった。今後は再生産関係や動向予測を利用した管理方策の提言を目指す。
[その他]
研究課題名:資源管理手法開発試験調査(北海道資源管理協議会からの委託)

研究期間:平成20〜24年度

予算区分:受託研究費

研究担当者:高嶋孝寛

発表論文等:「高嶋孝寛,星野昇,板谷和彦,三橋正基:道西日本海に分布するホッケの耳石輪紋形成周期と成長.2009(平成21)年度日本水産学会春季大会講演要旨集,137(2009)」,「高嶋孝寛,星野 昇,板谷和彦,前田圭司,宮下和士:耳石断面観察によるホッケ道北群の年齢査定法と年齢−サイズ関係,日水誌79,383-393(2013)」など
[具体的データ]




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