水産研究成果情報検索結果




アサリ母貝場の機能評価手法の開発と機能改善対策の検討
アサリの成長・成熟に及ぼす環境要因を特定し、母貝場機能の評価手法を開発しました。また、既存の母貝場における機能向上を図るための土木工学的造成手法による環境改善対策を検討しました。
担当者名 地方独立行政法人北海道立総合研究機構中央水産試験場 資源増殖部 水産工学グループ 連絡先 Tel.0135-22-2567
推進会議名 北海道ブロック, 水産工学関係 専門 水産土木 研究対象 あさり 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 1(3)水産生物の生育環境の管理・保全技術の開発
[背景・ねらい]
 全国的なアサリ漁獲量の減少は、埋立による生息場の減少、幼生ネットワークの崩壊、乱獲、食害、波・流れによる移動・分散、成長・成熟不良が主要な要因と考えられています。一方、北海道のアサリ漁獲量は安定しているものの、造成漁場の一部では成長不良が問題となっています。生息場の減少や成長・成熟不良等はアサリ母貝場の再生産機能の喪失や低下につながることから、この機能の向上や創出を図ることで産卵量の底上げが期待できます。しかし、母貝場機能の評価手法や評価基準はなく、また具体的な機能回復手法も開発されていませんでした。そこで本研究では、アサリの成熟・産卵に対する制限要因を特定し、母貝場機能の評価手法を開発するとともに、既存の母貝場における機能向上を図るための土木工学的造成手法による環境改善手法の開発を目的としました。
[成果の内容・特徴]
<母貝場機能評価手法の開発>ケージ試験と環境調査から、アサリの成長や成熟(抱卵数)は、餌の供給量の指標であるクロロフィルフラックス(流速と海水中のクロロフィル濃度の積)と密接な関係にあることが示唆されました(図1,図2)。

<母貝場環境改善手法の検討>干潟表層土中に存在する珪藻を、アサリが摂餌できるように人為的に海水中に巻上げると、5月から9月まではアサリの成長が促進される傾向にありました(図3)。また、風や潮汐の力で干潟表層土中の珪藻を巻き上げる仕組みの装置(図4)をアサリ漁場で試験した結果、アサリの成長が促進される傾向にありました(図4)。
[成果の活用面・留意点]
 アサリの成長や成熟(抱卵数)はクロロフィルフラックスを計算することで予測でき、新規の母貝場造成や既存母貝場改修の計画策定時に成長や成熟の予測に活用が見込まれます。また、干潟表層土中の珪藻の巻上げによって、アサリの成長を促進できることが分かるとともに、小規模ながら漁場で実際に底生珪藻を巻上げる手法を開発しました。本手法は今後の改良により既存漁場の母貝場機能改善に活用が見込まれます。
[その他]
研究課題名:漁場生産力の有効活用によるアサリ母貝場造成および新規創出技術開発(水産庁からの委託)

研究期間:平成22〜24年度

予算区分:受託研究

研究担当者:秦 安史・櫻井 泉

発表論文等:「秦 安史ほか:サロマ湖のアサリの成長に及ぼす環境要因について.平成23年度日本水産学会春季大会講演要旨集.226(2011)」,「秦 安史ほか:サロマ湖のアサリの成長に及ぼす餌料供給量の影響について.平成24年度日本水産学会秋季大会講演要旨集.113(2012)」
[具体的データ]




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