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東北近海におけるマダラ加入量変動と水温変動との関係
三陸から常磐の沿岸〜近海域において,1996年〜2007年までのマダラ加入量と,0m・50m・100m・200m深の水温の時系列間の関係を調べたところ,(a)0m・50m・100mそれぞれの深度の年平均水温,および,(b)6月の0m水温と,(c)その年のマダラ加入量との間に強い負の相関が見いだされた. 特に(b)と(c)の負相関から,マダラの着底直前〜着底直後に水温が高いとマダラが大きく減耗する可能性が示唆された.
担当者名 独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所 混合域海洋環境部 海洋動態研究室 連絡先 Tel.022-365-9928
推進会議名 東北ブロック 専門 漁場環境 研究対象 底魚 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 5(2)主要水産資源の調査及び海洋環境等の長期モニタリング
[背景・ねらい]
マダラは冬季に湾内の浅瀬で沈性卵を産み,ふ化後は5-6月まで湾内で浮遊生活を送った後に着底し,その後は湾外の深場に移動する.また,マダラは系群間で交流が少なく,1歳魚以上から漁獲対象となり,1歳魚の資源量変動には前年の加入量変動が反映される.マダラ太平洋北部系群のより正確な資源管理・漁業管理を行なうためには,その生態に着目しながら加入量の変動機構を明らかにすることが不可欠である.

 本研究では,着底トロール調査で推定されたマダラ加入量資料と,東北沖の水温データセットから作成された着底トロール調査海域の水温時系列を比較し,マダラ加入量変動の環境要因を推定する.


[成果の内容・特徴]
1996年から2007年まで各年10-11月に茨城県から青森県の太平洋側沿岸で実施された東北区水産研究所八戸支所着底トロール調査による北部海域(北緯38度50分以北)と南部海域(北緯38度50分以南)のマダラ0歳魚推定資源量を,それぞれの海域における各年の加入量とみなした.また,東北区水産研究所混合域海洋環境部が収集・整理した水温データセットから,北部海域・南部海域に相当する海域のデータを切り出して月別平均を取り,1996年から2007年までの0m,50m,100m,200m深月別水温時系列を作成した(図1).各海域で,マダラ加入量の対数と比較すると,0m・50m・100mそれぞれの深度の年平均水温との間に強い負の相関が見られたほか,6月の0m水温との間にも強い負の相関が見られた(図2).6月はマダラ稚魚の着底期にあたるが,この時の水温が高ければ大きな減耗が起こると推測された.
[成果の活用面・留意点]
活用面:6月の水温値からマダラ0歳魚量がある程度予測されるため,加入量・資源量予測に貢献できる.

留意点:6月の海洋環境がマダラの生残にどのように影響するか,餌料環境を含めた詳細な調査・解析が必要.


[その他]
研究課題名:資源評価調査

研究期間:平成19年

予算区分:水産庁委託事業

研究担当者:清水勇吾・成松庸二

発表論文等:清水勇吾・成松庸二(2008):三陸〜常磐沿岸域の水温変動とマダラ加入量変動との関係−水温変化に伴う底魚類の資源変動メカニズムの考察−.月刊海洋特集「レジーム・シフト研究の歴史と現状および今後の課題」,印刷予定.
[具体的データ]




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