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動物プランクトンNeocalanusによる炭素の中深層貯蔵機能
北太平洋亜寒帯域に分布する動物プランクトンNeocalanusの鉛直移動行動により、年間1億6千万トンの炭素が中深層に輸送され、大気から長期間隔離されていることが明らかになった。
担当者名 独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所 混合域海洋環境部 生物環境研究室 連絡先 Tel.022-365-9929
推進会議名 東北ブロック 専門 物質循環 研究対象 動物プランクトン 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 5(1)生態系の機能・構造解明及び地球温暖化対策のための研究開発
[背景・ねらい]
地球温暖化の原因物質である二酸化炭素は、海洋の生物活動によって海洋表層から深層に輸送される。この輸送機構には様々なものがあるが、動物プランクトンによる輸送に関しては測定の困難さから研究がされず不明のままであった。北太平洋亜寒帯域は、動物プランクトンが多く、その季節的鉛直移動によって中深層で越冬する種が多いため、動物プランクトンによる炭素輸送機能が高いと考えられる。本研究は、北太平洋亜寒帯域における炭素輸送量を定量的に評価し、海洋における炭素循環の精度向上に貢献する事を目的として行った。
[成果の内容・特徴]
北太平洋で優占する動物プランクトンのNeocalanusは、表層で成長した後、水深400-1500mの中深層で越冬・産卵するという鉛直移動を行い、この過程で二酸化炭素を海洋表層から深層に輸送・隔離している。北海道沖の海域で周年に亘る調査線観測により、1年間の炭素輸送量が4.3gC m-2であることが明らかになった。北太平洋における動物プランクトン生物量とその中に占めるNeocalanusの割合から、北太平洋全域でNeocalanusが輸送する炭素量は、二酸化炭素換算で年間5億9千万トンに達すると推定された。これは、日本が化石燃料燃焼によって放出する二酸化炭素量の46%にも相当する。動物プランクトンによる炭素輸送機能は、地球温暖化の将来予測に必要な、地球規模の炭素循環を検討する際に無視できないほど大きな役割を担っていることが明らかになった。
[成果の活用面・留意点]
炭素循環の精度向上への貢献および温暖化予測精度向上への貢献
[その他]
研究課題名:動植物プランクトンによる表層生産の深層生態系への輸送機構の解明

研究期間:H14-18

予算区分:技会プロ研「海洋生物資源の変動要因の解明と高精度変動予測技術の開発」

研究担当者:齊藤宏明・高橋一生・桑田晃・津田敦・小埜恒夫・小針統

発表論文等:Harrison, P. J., Whitney, F., Tsuda, A., Saito, H., Tadokoro, K. (2004) Nutrient and Plankton Dynamics in the NE and NW Gyres of the Subarctic Pacific Ocean. Journal of Oceanography, 60, 93-117 他
[具体的データ]




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