水産研究成果情報検索結果




水産資源の将来を予測する
 ある実在する資源をモデルに、資源管理に伴う不確実性を考慮に入れた将来予測モデルを開発した。モデルは、資源量推定の不確実性、加入量変動の不確実性、漁獲強度の不確実性を組み入れ、管理方策の効果とリスクを比較するため、12通りの管理方策を想定し、1991〜2004年度のデータに基づき、それぞれ1000回のシミュレーション計算を行った。シミュレーション結果から管理方策の評価を行った。
担当者名 北海道立中央水産試験場 資源管理部 管理技術科 連絡先 Tel.0135-23-7451
推進会議名 北海道ブロック 専門 資源評価 研究対象 魚類 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 1(1)水産資源の持続的利用のための管理技術の開発
[背景・ねらい]
 北海道では古くから資源管理に取り組んで来た。しかしながら、本道周辺海域に生息する水産資源は資源量が減少しているものが多く、必ずしも資源管理がうまくいっているとは言えないのが現状である。本研究では、水産資源に対して様々な資源管理方策をとった場合の資源管理効果を計算する手法を開発し、水産資源の将来を科学的に予測することを目的とした。
[成果の内容・特徴]
 資源量推定値やその他の資源パラメータの推定に関する誤差(間違いの程度)と予測加入量の変動の程度を考慮した資源の将来予測モデルを開発し、特定の管理方策を実行した場合の将来予測を行った(図1)。

 ある実在する資源に対して12通りの管理方策(表)を行った場合、将来の資源尾数や漁獲量がどのようなるかを、それぞれの管理方策ごとに1,000回のシミュレーションを行うことで予測した。

 結果は、10年後の資源尾数(図2上図)と30年間の漁獲量(図2下図)が、現在のまま漁獲を行ったときを1として、それぞれどのような値が記録されるかを示してある。2倍以上になったものは管理効果が高いことを示し、反対に0.5以下になったものはリスクが高いことを示している。

 図2上図は30年後の資源重量でそれぞれの管理効果を比較した結果を示している。これを見ると、方策1-4、2-4、3-3、3-4が効果的な方策と見ることができる。しかし、図2下図で、30年間の漁獲量を判断基準で管理方策を比較してみると、管理方策3-4が管理方策1-4、2-4、3-3より効果があるという結果が得られた。このように管理方策の効果判定基準を何に設定するかによって判断が異なることが解る。
[成果の活用面・留意点]
 上述のように、管理効果判定基準によって判断が異なることが解った。資源管理に関わる、漁業者、行政、研究者、受益者である道民それぞれが、水産資源に望む事柄は異なるので、この研究のように様々な視点から見た管理効果を提示することによって、それら対立した要求を包括する資源管理という合意形成に向け、議論の材料を与えることになると考えられる。
[その他]
研究課題名:重点領域特別研究 水産資源の管理効果予測に関する研究

研究期間:平成15年度〜16年度

予算区分:道単

研究担当者:山口宏史

発表論文等:Yamaguchi, H. and Matsuishi, T. (2007) Effects of sampling errors on abundance estimates from virtual population analysis for walleye pollock in northern waters of Sea of Japan. Fisheries Science 73:5, (in press)
[具体的データ]




[2007年の研究成果情報一覧] [研究情報ページに戻る]