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小型三枚網はブルーギルの捕獲にも有効である
コクチバス及びオオクチバス(以下ブラックバスとする。)の産卵床保護雄の捕獲を目的に開発した小型三枚網(H14報告済み)は、ブルーギル親魚の捕獲にも有効である。
担当者名 長野県水産試験場 増殖部  連絡先 Tel.0263-62-2281
推進会議名 内水面 専門 生態系 研究対象 他の淡水魚 分類 普及
「研究戦略」別表該当項目 3(3)有害生物の発生機構の解明と予察・被害防止技術の開発
[背景・ねらい]
湖沼や溜池でブルーギルを減少させるには、ブラックバスと同様に産卵床を保護する雄を捕獲することが効率的な方法の一つと考えられる。そこで、ブラックバスを対象に開発された小型三枚網をブルーギルの捕獲に用いてその有効性を検討した。
[成果の内容・特徴]
 小型三枚網をブルーギルの産卵床に設置して親魚の捕獲を行い次の結果が得られた。

 試験は長野県松本市の農業用ため池の田溝池で平成15年から18年に行った。田溝池のブルーギルの産卵期は5月中旬から7月上旬で、この間の水温は18.8〜26.6℃であった。小型三枚網は、ブルーギル産卵床への設置を容易にするため、幅0.8m×高さ0.5mのもの(網の目合いはブラックバス用と同じ、図1)を使用し、9時から14時の間にセットして概ね2時間後に回収した。小型三枚網は2000円前後で入手できる。

・保護雄のいる産卵床に小型三枚網を設置した場合のブルーギルの捕獲効率は71%で、ブラックバスの捕獲効率の55%と有意差は認められなかった。(表1)

・保護雄のいない産卵床に小型三枚網を設置した場合のブルーギルの捕獲効率は、保護雄のいる産卵床に設置した場合に比べて有意に低かったものの、設置したうち37%で捕獲があった。(表1)

・1枚の小型三枚網で捕獲した個体数をブルーギルとブラックバスで比較した場合、ブルーギルの方が複数の個体が採捕されるケースが有意に(U検定:p<0.05)多かった。(図2)

・捕獲魚の雌雄比をブルーギルとブラックバスで比較した場合、ブルーギルでは雌の捕獲される率が有意に(カイ二乗検定:p<0.01)高かった。(図3)

・1網あたりの採捕尾数及び採捕魚の雌比率におけるブラックバスとの差は、ブルーギルが産卵床のコロニーを形成する習性があり高い密度で集まるためと考えられた。



 以上のことから、小型三枚網はブラックバスを対象とした場合と同程度にブルーギルの産卵床保護雄親魚の捕獲に有効であるとともに、産卵床コロニーに集まってきた雌親魚の捕獲にも効果があることがわかった。
[成果の活用面・留意点]
 本成果の普及により、ブルーギルの効率的な繁殖抑制が図られることが期待される。
[その他]
研究課題名:ブルーギル等食害等影響調査(水産総合研究センターからの委託)

研究期間 :平成18年度(平成14年度〜平成18年度)

研究担当者:山本 聡、伝田郁夫

発表論文等:発表論文等:長野県水産試験場、水産だより第24号、2005
[具体的データ]




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