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ホタテガイ卵巣卵壊死率の算定
卵巣組織写真中の壊死卵領域面積を画像解析によって算定する方法を開発し、卵巣卵壊死率と採苗結果との関係を解析した結果、産卵直前の壊死卵率は採苗の良否と関係があること、産卵が遅れると壊死率が顕著に増加することを明らかにした。
担当者名 北海道立函館水産試験場 調査研究部 栽培技術科 連絡先 Tel.0138-57-5998
推進会議名 北海道ブロック 専門 資源生態 研究対象 ほたてがい 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 1(1)水産資源の変動機構の解明と予測手法の開発
[背景・ねらい]
噴火湾のホタテガイ養殖漁業は、最近10年間で5回の採苗不良が起こっており、漁家経営悪化の一因となっている。種苗の安定的確保には地場採苗が不可欠であることから、ホタテガイの卵巣卵質と採苗状況との関係を明らかにし、採苗不良原因の解明及び採苗早期予測のための基礎資料とする。


[成果の内容・特徴]
研究方法

 1.卵巣卵壊死率の算定(図1)

  1)卵巣の組織切片を作成し、組織写真を作成する。

  2)卵巣組織写真上に透明シートを載せ、壊死卵領域をフェルトペンでトレースする。

  3)画像解析ソフトで透明シート上の壊死卵領域面積を求める。

  4)写真面積と壊死卵領域面積から卵巣卵壊死率を算定する。

 2.採苗不良との関係解明

  1)水産技術普及指導所の試験採苗結果と産卵直前の卵巣卵壊死率との関係を解析する。

研究成果

 1)卵巣の組織はエオシン染色時のpHを5.9に調整することで、壊死卵と正常卵の識別が容易になること

を明らかにした(図1)

 2)卵巣卵壊死率の評価を面積法で行うことにより、卵巣卵質評価作業の時間短縮に成功した。面積法以  前は正常卵と壊死卵を計数しており、評価作業に時間がかかっていた。

 3)産卵直前の壊死卵率は採苗の良否にある程度関係がある(図2)

 4)産卵が遅れると卵巣卵壊死率が著しく増加することがわかった(図3)
[成果の活用面・留意点]
採苗期前に、その年の卵巣卵壊死率の結果を関係漁業者へ情報提供を行うとともに、噴火湾ホタテガイ養殖技術検討会において、その年の採苗良否原因を検討するための基礎資料としている。また、採苗期後に、各漁協及び漁業者に対して、採苗良否原因について説明を行っている。

 
[その他]
研究課題名:噴火湾養殖ホタテガイ採苗安定化対策試験

研究期間:平成12年度〜平成17年度

予算区分:受託試験事業

研究担当者:函館水産試験場調査研究部 馬場勝寿

発表論文等:Invertebrate Reproduction and Development,45:3(2004)175-184
[具体的データ]

図1.ホタテガイ卵巣に見られる壊死卵と正常卵、卵巣卵壊死率算定法、壊死卵の特徴

A:通常のヘマトキシリン・エオシン染色(エオシン染色時約pH2.5)、B:エオシン染色時pH5.9に調整したヘマトキシリン・エオシン染色。



図2.卵巣卵壊死率と試験採苗結果の関係



図3.産卵が遅れた平成17年度の卵巣卵壊死率の経時変化






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