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アイナメ活魚化における産地構造問題
次の1〜4の悪循環によって、岩手県産アイナメの(真の)活魚化の進展は阻害され、付加価値を半減化していることが分かった。1.岩手県は活魚システムが不整備、2.このため良質の活魚アイナメが水揚げされなくなり、3.高価格が実現しないため、漁業生産者も活魚化に対する努力や技術向上を蔑ろにしてきた。4.活魚が少ないので、活魚システムが構築されない。
担当者名 岩手県水産技術センター 企画指導部  連絡先 Tel.0193-26-7914
推進会議名 東北ブロック 専門 水産経済 研究対象 魚類 分類 行政
「研究戦略」別表該当項目 4(2)水産物の生産・流通機構の解明
[背景・ねらい]
アイナメの小型魚は中・大型魚の概ね半値で取り引きされ、さらに鮮魚は活魚の概ね半値で取り引きされていた。また、アイナメ市場は非常に強固な需要で成立していることが明らかとなっている。H16年度は、生産現場における活魚化の課題について検討した。


[成果の内容・特徴]
活魚化の進展阻害要因:岩手県でアイナメを主に漁獲している漁法は、刺網、はえ縄・一本釣漁業である(表1)。刺網による漁獲比率は59%と高いが、活魚比率は低い。一方、はえ縄・一本釣の場合、漁獲比率33%で刺網と比較すればその比率は低いが、活魚率は高い。刺網の平均単価が893円/kg、はえ縄・一本釣の平均単価が1,171円/kgであり、はえ縄・一本釣の平均単価は刺網の1.3倍となっていた(表2)。さらに表2の活魚平均単価と鮮魚平均単価を比較すると、概ね活魚は鮮魚の1.5倍となっていた。

 活魚と比較すると安い鮮魚として扱う産地市場の背景として、市場に活魚で水揚げされても、その直後に産地仲買によって絞められる実態があるためであり、岩手県における活魚は非常に鮮度の良い鮮魚として大半が扱われている。これは、表3に示したとおり、岩手県には(登録された)活魚トラックがなく、つまり、活魚物流が最も整備されていない県と推定され、付加価値の高い活魚が鮮魚化している。

 大船渡市のある鮮魚問屋では約2年間(真の)アイナメ活魚を扱っていたが、その買い取り価格は約3,000円/kgであり、つまり岩手県において活魚を仕立てるシステムが構築できれば、3倍になる可能性は高く、それだけの機会を逸していた。

 つまり、1.岩手県は活魚システムが不整備であり、そのため活魚出荷(息絶え絶えの活魚含む)しても鮮魚にされるため、鮮魚に対する活魚価格は1.5倍程度となり、2.結局、絞められるので活きの良さはさほど求められず、このため良質の活魚アイナメが水揚げされなくなり、3.高価格が実現しないため、漁業生産者も活魚化に対する努力や技術向上を蔑ろにしてきた。4.活魚が少ないので、活魚システムが構築されない。1〜4の悪循環によって、岩手県産アイナメの(真の)活魚化の進展は阻害されてきた。


[成果の活用面・留意点]
これらのような課題を解決すべく、ある特定地区の漁業生産者・漁協及び漁連・県庁ともに実践的課題解決に向けて試験を行っている。その結果を基にして、普及員等を通じて他地区に普及を図る予定である。
[その他]
研究課題名:アイナメ活魚化における産地構造問題

研究期間 :平成16〜19年

予算区分 :補助金(水産庁)多元的資源管理型漁業推進事業

研究担当者:宮田 勉(企画指導部)        

発表論文等:

[具体的データ]










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