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ニシンの放流適期と環境条件
ニシンの放流適期を検討する目的で、2000、2001の両年に全長50mmサイズの種苗を4月および5月に放流し、産卵回帰時の回収率を比較した。その結果、2000年は4月群が5月の約20倍回収されたが2001年は同等であった。本種の放流には安定した回収が得られる4月が適しており、回収率は放流時の環境条件により変動すると考えられた。
担当者名 独立行政法人水産総合研究センター宮古栽培漁業センター   連絡先 Tel.0193−63− 8121
推進会議名 東北ブロック 専門 増養殖技術 研究対象 他の浮魚 分類 調査
「研究戦略」別表該当項目 1(2)栽培資源の評価・管理手法の開発
[背景・ねらい]
未解明であるニシンの放流適期を明らかにする目的で、宮古湾において2000、2001の両年に、全長50mmの種苗を4月と5月の2回に分けて放流した。これらの初期生態および産卵回帰状況を調査し、上記放流群の回収率を比較検討した。
[成果の内容・特徴]
2000年放流群の回収率は、4月群が5月群の約20倍高い値となった。しかし、2001年は2群の回収に差がなく、かつ、回収率が高かった(表1)

宮古湾のニシン天然稚魚の発生状況は、2000年が少なく、2001年は非常に多かった。また、産卵回帰時の魚体サイズは2000年は両群とも同じ(5月群が4月群に追いついた)であったが、2001年は5月群が小さかった。

上記の結果から、天然発生量が多い良好な環境条件では、放流時期によって種苗の初期生残に差は生じないが、環境が厳しい年には早期の放流が有利と考えられた。即ち、効率的な種苗放流を行うには、産卵期の初期(1月)に採卵し、早期(4月)に放流するスケジュールが望ましいと考えられた。

本種の資源変動は仔魚期の生残率によって決まると考えられているが、本試験結果からは、環境条件によって稚魚期以降の生残率も変動している可能性が示された。
[成果の活用面・留意点]
ニシンにおける放流適条件の一端が明らかとなり、本種の栽培技術の向上に寄与した。

未解明の部分が多い本州ニシンの初期生態、特に仔稚魚期の減耗状況やその原因を放流種苗によって把握できる可能性を示した。
[その他]
研究課題名:宮古湾をモデルとしたヒラメ、クロソイ等の放流適地の特性把握及び市場調査による効果推定技術の開発

研究期間:平成15年度〜17年度

予算区分:運営費交付金

研究担当者:大河内裕之

発表論文等:
[具体的データ]
表1 ニシン比較群の回収尾数と回収率(2000,2001年放流群)






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