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健全なニシン人工種苗は生き残りも良かった!
人工的に生産したニシンの脊椎骨に見られる異常(癒合)の出現状況を放流時と放流後1年半を経過した回収時(漁獲時)で比較した。その結果、異常の程度が重い人工生産魚が漁獲物から見つかることは皆無もしくは非常に少なく、これらが放流後に生き残る可能性の低いことを実証した。
担当者名 独立行政法人水産総合研究センター厚岸栽培漁業センター   連絡先 Tel.0153-52-4767
推進会議名 北海道ブロック 専門 増養殖技術 研究対象 他の浮魚 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 2(3)魚介藻類の資源培養技術の開発
[背景・ねらい]
厚岸栽培漁業センターでは、地域性ニシンClupea pallasiiの資源増大並びに持続的利用を目的に、1982年より厚岸ニシンの種苗生産技術開発を実施している。現在では、生残率約40%で数十万尾の種苗を安定的に生産できる技術レベルに達している。しかし、人工生産したニシンには脊椎骨の癒合した個体が高率で出現し、放流種苗としての健全性に疑問が生じている。そこで、ニシン人工生産魚に見られる脊椎骨癒合の重篤度別出現状況を、放流時と放流後1年半を経過した回収時(漁獲時)で比較し、脊椎骨癒合の重篤度と回収結果との関連性を検証した。
[成果の内容・特徴]
・放流直前および、放流から約1年半を経過して漁獲されたニシン人工生産魚について、それぞれ108〜251尾を軟X線撮影し脊椎骨癒合数を計数した。

・脊椎骨癒合数0〜1を「正常・軽度」、2〜5を「中度」、6〜10を「重度」、および10以上を「最重度」と区分し、区分別出現率を比較したところ「正常・軽度」および「中度」は放流時と回収時に大きな違いは認められなかった。しかし、「重度」および「最重度」の人工生産魚が漁獲されることは皆無もしくは非常に少なく、放流時の出現率と異なっていた。

・以上から脊椎骨癒合数の多少は放流後の生残に影響を与えることが明らかとなり、「重度」および「最重度」に区分される脊椎骨異常の重篤な人工生産魚は放流後に生き残る可能性の低いことが示された。
[成果の活用面・留意点]
応急的にはニシン人工生産魚に出現する脊椎骨癒合数を少なくとも6カ所未満に抑える生産技術を開発することで,放流効果を安定・向上させることが可能と考えられるが,最終的にはすべての種苗に骨異常が発生しない技術の開発を目指す必要がある。
[その他]
研究課題名:道東海域における地域性ニシンの放流効果評価技術開発

研究期間:平成15〜17年

予算区分:運営費交付金

研究担当者:鈴木重則・福永恭平(独立行政法人水産総合研究センター厚岸栽培漁業センター)、山本義久(独立行政法人水産総合研究センター屋島栽培漁業センター)

発表論文等:鈴木重則(2004) ニシン人工種苗脊椎骨癒合の重篤度と回収結果の関係.栽培漁業センター技報,第2号,13-16.
[具体的データ]




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