水産研究成果情報検索結果




カタクチイワシは仙台湾を時計回りで回る?
宮城県沿岸に来遊するカタクチイワシを主体とする浮魚の現存量・分布状況を科学計量魚探で調べたところ、6月の北上期に最も現存量が多くなり、その分布の特徴として特に仙台湾では湾の形状に沿った馬蹄状に魚群が分布していた。
担当者名 宮城県水産研究開発センター 海洋資源部  連絡先 Tel.0225-24-0139
推進会議名 東北ブロック 専門 資源評価 研究対象 浮魚 分類 調査
「研究戦略」別表該当項目 1(2)水産資源の評価・管理手法の高度化
[背景・ねらい]
本県沿岸域に来遊するカタクチイワシは、カツオ・マグロ一本釣りで使用する活き餌として重要であると共に、価格が安いものの多獲が可能な生鮮水揚げ物として、本県沿岸定置網の重要な漁獲対象魚種である。また、本種は本県沿岸に来遊する他の有用な浮魚の餌生物として重要であり、カタクチイワシ来遊量の多寡は他の浮魚の漁獲量に影響する。近年、カタクチイワシ太平洋系群の資源水準は高位にあり毎年安定した漁獲が続いているが、本県沿岸域における分布量や分布生態については、今まで計画的な調査がなされていなかった。そこで、2003年・2004年の北上期(6月)・滞留期(8月)・南下期(11月)に、水深200m以浅の大陸棚上に配置した定線に沿って科学計量魚探による探査を実施し、同時に得られた海況指標と共にカタクチイワシを主体とする浮魚の現存量と分布の特徴を整理した。
[成果の内容・特徴]
本県沿岸におけるカタクチイワシの現存量は6月の北上期が最も多く、その後8月の滞留期は減少し、再び11月の南下期に増大する傾向にあった。また、6、8月の魚群密度の高い海域は仙台湾岸側と仙台湾湾口部及び金華山以北沖合海域においてみられ、仙台湾中央部には魚群反応が見られなかった。これらカタクチイワシの分布状況から魚群が仙台湾に沿って時計回りに移動していることが推定された。分布調査と同期の本県定置網水揚魚種組成及び調査時のサビキによる釣獲試験から、ほとんどの魚群は北上期のカタクチイワシ回遊群であると推定された。この魚群分布の特徴は、高水温・低塩分・高クロロフィル濃度を示す沿岸水塊の分布と関係があることが推察された。また、2004年6月の調査時に本県の大型定置網にクロマグロが多獲されたが、調査中に計測されたTS(単体魚の後方散乱強度)値から体長1m以上の魚の反応位置を調べたところ、カタクチイワシの魚群反応が強い海域で多くの大型魚反応が確認された。
[成果の活用面・留意点]
・カタクチイワシの来遊状況を把握することでその年の本県沿岸域における浮魚豊度が推定される。

・カタクチイワシの来遊量や分布状況は他の浮魚分布にも影響することから、漁況情報の提供業務におけるコンテンツの質向上が図られる。
[その他]
研究課題名:カタクチイワシの資源生態と漁業に関する基礎研究

研究期間:平成15年度から平成17年度

予算区分:県単独事業

研究担当者:海洋資源部 永島 宏

発表論文等:宮城県水産研究報告 第6号、2006年(未定稿)
[具体的データ]




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