水産研究成果情報検索結果




カキの産地判別技術開発
宮城県産カキと韓国産カキに含まれる脂肪酸を分析した結果、20数種の脂肪酸が検出され、それぞれの脂肪酸について全脂肪酸に対する割合(重量%)を求めたところ、いくつかの脂肪酸の割合が宮城県産と韓国産で差が認められることが確認され、産地判別の指標として有効であることが示唆された。
担当者名 宮城県水産研究開発センター 環境養殖部  連絡先 Tel.0225-24-0130
推進会議名 東北ブロック 専門 水産成分 研究対象 かき 分類 行政
「研究戦略」別表該当項目 5(4)水産物の種及び生息水域判定技術の開発
[背景・ねらい]
平成14年に韓国産カキの混入問題が発生し、大きな社会問題となった。消費者の信頼を回復し、将来にわたる適正な流通体制を確立するために、韓国産カキ混入問題の対策の一環として、宮城県産と韓国産カキを識別するための技術開発が強く求められていた。
[成果の内容・特徴]
1)H14〜16に先端技術を活用した農林水産研究高度化事業「近縁魚類等の種判別および漁獲地域判別技術の開発」近縁魚類等の原産地推定法の開発の中で、宮城県水産研究開発センターは,カキの産地別特性の把握に取り組んだ。H17からは宮城県漁連、宮城県公衆衛生協会、東北大学、宮城大学と連携を組み、判別精度の向上に向けて取り組んでいる。

2)韓国産カキと宮城県産カキの形態・色調の比較、グリコーゲン含有量、脂肪酸組成を比較した結果、特に脂肪酸組成に顕著な違いがあることが確認された。カキからは、20 数種の脂肪酸が検出され、それぞれの脂肪酸について全脂肪酸に対する割合(重量%)を求めたところ、毎回6〜16種について、その脂肪酸の割合が宮城県産と韓国産で差が認められることが確認された。

3)特にリノール酸、リノレン酸については、毎回、宮城県産が高い値を示した。リノール酸、リノレン酸はカキ体内で合成されないことから、生息海域の餌プランクトンの違いを反映したものと考えられた。また,オクタデカテトラエン酸も宮城県産で高い場合が多く、リノール酸、リノレン酸の3成分を合計した値は、宮城県産では常に7%以上を示した。なお、その他の成分についても時期・場所により差が生じる場合があり、複数の成分を組み合わせて比較することで、両産地の差異がより明解になるものと考えられた。
[成果の活用面・留意点]
1)この技術を、実用可能レベルまでに完成させるためには、さらに漁場範囲を広げてデータを補い、指標とする脂肪酸の再検討並びに個体ごとの抽出・分析手法を確立するとともに個体間の変動幅も把握しておく必要がある。また、保存状態や保存期間による脂肪酸組成の変化の有無についても検討する必要があり、現在、これらの解明に取り組んでいる。

2)現在(平成17年度)は、宮城県公衆衛生協会、東北大学、宮城大学との連携を図りながら、韓国産カキとの判別精度向上のために研究を続けている。さらに、宮城県漁連とも協力して県内全域にわたるカキの脂肪酸組成に関するデータベース作りも行っている。
[その他]
研究課題名:1)近縁魚類等の種判別および漁獲地域判別技術の開発,2)かきの産地判別に関する研究

研究期間:1)平成14〜16年、2)平成17年度

予算区分:県単独事業

研究担当者:環境養殖部 酒井敬一、須藤篤史
[具体的データ]

図 リノール酸,リノレン産,オクタデカテトラエン酸の宮城県産と韓国産カキの違い





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