水産研究成果情報検索結果




DNA解析で明らかになったマガキ産地間の遺伝的な違い
日本産マガキの地域集団間および日本産と韓国産マガキ集団間の遺伝的な違いを調べ、DNA解析のマガキ産地識別への利用可能性を検討した。7個のDNAマーカーを使って集団解析を行ったところ,宮城産と、広島を中心とする西日本地域産のマガキ集団では、異なる遺伝的特徴を持っていることが分かった。また韓国産と日本産マガキ集団の間には、比較的大きな遺伝的違いがあることが分かった。
担当者名 独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所 海区水産業研究部 資源培養研究室 連絡先 Tel.022-365-9924
推進会議名 東北ブロック 専門 その他・該当なし 研究対象 かき 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 5(4)水産物の種及び生息水域判定技術の開発
[背景・ねらい]
近年、様々な水産生物で産地偽装が顕在化している。東北地域では、特にマガキの産地偽装が大きな社会的問題となっており、科学的根拠に基づく産地識別法の開発が求められている。本研究では,マガキのDNAマーカーを開発し、これらを使って、日本産マガキの地域集団間および日本産と韓国産マガキ集団間の遺伝的な違いを調べ、DNA解析のマガキ産地識別への利用可能性を検討した。
[成果の内容・特徴]
マガキについて200個程度のDNA領域を調べ、これらがDNAマーカーとして集団解析に利用可能であるかを検討した。開発したマーカーのうち7個を使い、日本各地から採集したマガキ9地域集団(宮城、三重、和歌山紀伊半島東側、和歌山紀伊半島西側、高知、広島、山口、宮崎、長崎五島列島)間の遺伝的異質性を調べたところ、集団全体が遺伝的に均質とは言えないという結果であった。さらに韓国産の天然および養殖マガキの分析を行ったところ、一つのマーカーで、日本産マガキではほとんど見られない対立遺伝子が、韓国産では高頻度に存在することが分かった(図1のA遺伝子)。7個のDNAマーカーの遺伝子頻度に基づいて集団間の遺伝的距離を求め、それらの類縁関係を調べた(図2)。この樹形図から、宮城産と西日本地域産集団は別のグループに分けられ、韓国産集団は、これらの日本産集団と遺伝的に遠い関係にあることが分かった。これらの結果から、集団レベルではマガキの産地間に遺伝的な違いがあり、より多くのDNAマーカーを開発・使用することにより、産地識別への応用が可能であると考えられる。


[成果の活用面・留意点]
マガキの産地識別、地域に即したマガキ遺伝資源の保全
[その他]
研究課題名:マイクロサテライトDNAの探索(マガキ)

研究期間:H14〜H16

予算区分:農林水産研究技術会議(委託プロ)

研究担当者:関野正志:東北区水産研究所 海区水産業研究部 資源培養研究室

発表論文等:関野正志・浜口昌巳・大越健嗣(2006)マイクロサテライトDNAを用いたマガキの集団解析. 日本水産学会(編), 水産学シリーズ149号,恒星社厚生閣, 東京(印刷中)

[具体的データ]




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