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液体クロマトグラフィー/質量分析法による下痢性貝毒の一斉分析法の開発
 わが国の二枚貝の主要下痢性貝毒成分を液体クロマトグラフィー/質量分析法により簡便かつ迅速に測定する手法を開発した。
担当者名 独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所 海区水産業研究部 海区産業研究室 連絡先 Tel.022-365-9933
推進会議名 東北ブロック 専門 赤潮・貝毒 研究対象 貝類 分類 研究
「研究戦略」別表該当項目 5(1)水産物の品質安全及び取扱に係る技術の開発
[背景・ねらい]
 下痢性貝毒は北海道・東北沿岸を中心に問題になっている貝毒である。二枚貝の下痢性貝毒はマウスを用いた動物試験により検査されているが,(1)検査に時間がかかること,(2)検査精度に問題があること,(3)動物愛護の観点などから代替検査法の開発が求められている。下痢性貝毒の代替検査法としては,液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC-MS)が有望視されているが,検査試料の予備精製を含む検査手順が複雑で専門知識と経験が必要である上,複数の成分からなる下痢性貝毒を一回の測定で検査することができず実用化は困難であった。本研究では,検査機関での実用化を目指し,LC-MSによる簡便かつ高精度な検査法を開発する。


[成果の内容・特徴]
 わが国の二枚貝から検出される主要下痢性貝毒成分(オカダ酸群,ペクテノトキシン群,エッソトキシン群)を約20分で一斉に検査することが可能になった。また,二枚貝の抽出液を予備精製などの前処理をせずにそのまま検査できるため,簡便かつ迅速な検査が可能になった。さらに,毒の検出感度は現行公定法であるマウス毒性試験と比較して200倍以上の高感度であり,極めて微量の毒が二枚貝に含まれている場合にも毒を見逃すことなく検出することが可能になった。さらに,検査を2日以上連続して行った場合にも装置は安定しており,検査機関での実用化に充分耐えうる検査法であることが実証された。


[成果の活用面・留意点]
1)本検査法は試料の前処理を一切必要とせず,特別な技術を必要としないため,異なる検査機関間でも均一な検査結果を得ることが可能。

2)現行公定法であるマウス毒性試験と比較して,高感度かつ高精度で迅速簡便な検査が可能。

3)二枚貝の安全性の確保や動物愛護の観点から,マウス毒性試験の代替検査法として実用化が可能。


[その他]
研究課題名:「各海域で毒化した二枚貝の下痢性貝毒成分の解明(委託プロ研)」

研究期間:平成15〜18年

研究担当者:鈴木敏之

発表論文等:下痢性貝毒の液体クロマトグラフィー/質量分析法による簡易的な一斉分析.平成16年度日本水産学会講演要旨集 p.189

DSP Toxin profiles of scallops, Patinopecten yessoensis, and mussels, Mytilus galloprovincialis and Mytilus coruscus, collected in various production areas in Japan. 5th International Conference on Molluscan Shellfish Safety (Galway,Ireland). Molluscan Shellfish Safety. in press.

[具体的データ]




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