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ホシガレイの背鰭条・神経間棘切除による標識法について
  ホシガレイの標識手法について、平均全長5cmの小型群の背鰭条切除、背鰭条・神経間棘切除区は3〜7ヶ月後には切除痕の判別が困難になったが、10〜12cmの大型群の背鰭条・神経間棘切除区では1年〜1年半経過後もそのほとんどが判別可能で、標識としての有効性が示唆された。
担当者名 宮城県気仙沼水産試験場 環境部  連絡先 Tel.0226-27-2700
推進会議名 東北ブロック 専門 増養殖技術 研究対象 かれい 分類 調査
「研究戦略」別表該当項目 1(2)水産資源の評価・管理手法の高度化
[背景・ねらい]
放流魚の標識方法はタグ標識が一般的であるが、高価なことや装着に熟練を要することなどから、大量標識を行う場合の問題点となっている。

 このため標識装着以外では、異体類のヒラメでは鰭切除、マコガレイでは焼き印による標識が開発されているが、今回、ホシガレイの簡便な標識手法を導入するため背鰭条・神経間棘切除による方法の有効性を検討した。


[成果の内容・特徴]
小型〜大型ホシガレイの背鰭条や神経間棘切除による生残への影響はなかった。

平均全長5cmの小型群の背鰭条・神経間棘切除区は、3〜7ヶ月後には切除痕の判別が困難になった。また、背鰭条切除区では再生が進むに従い正常なものとの区別が難しくなった。

 平均全長10cmの中型、12cmの大型群の背鰭条・神経間棘切除区(図1)のうち、前者は1年経過後で86%が判別可能であり、後者は1年半経過後(写真1)も全て判別可能で、標識としての有効性が示唆された。

 切除部位の再生を考慮すると、神経間棘の完全な切除が必要と考えられ、単なる背鰭条切除は再生が速く標識には適さないことがわかった。


[成果の活用面・留意点]
標識作業は、魚体の背鰭条と神経間棘にU字型の彫刻刀を押し当てるだけなので作業効率は良く、また、経費も少なくて済むことから大量の標識が可能である。

 さらに、切除位置を変えることで、放流年を区別することは可能なので、放流後再捕された標識魚の確認は、切除痕の有無及びその位置により行うことができる。

 通常、標識は3〜4年間は判別可能なことが必要であることから、今後も観察を継続することとしている。


[その他]
研究課題名:資源増大技術開発事業

研究期間:平成12〜16年

予算区分:国庫補助事業

研究担当者:藤田則孝、伊藤博

発表論文等:「宮城県水産研究報告第5号」に登載予定
[具体的データ]
図1 背鰭・神経間棘切除位置(黒部分を彫刻刀でカット)


 写真1


背鰭・神経間棘切除後1年半経過後のホシガレイ(約20cm)、上が有眼側下が無眼側、神経間棘の再生が進まず、窪みとして残っており背鰭も再生していない。




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